仏に授かった大漁
源八親父は若いときからよく浦廻りをしました。
いつものように朝早く家を出ると和田浜に行きました。
浜の半ば頃まで行くと、向こうに黒いものが流れ着いています。
近づいてみるとそれは死人でした。親父は一人で上まで運ぼうとしましたが重くてどうにもなりません。
家の者か近所の者を呼んでこようと思い、そばに打ち寄せられていた竹を拾い、
仏が再び海に流されないように仏に添えて突き立て「すぐに迎えに来るから待っていてくれ」と
仏に手を合わせて家にとって返し、家の者に仏を拾ったから手を貸してくれといい、再び家族と連れ立って、
その仏を家まで連れてきて奥の仏間に寝かせ近所の者とねんごろに葬ってやりました。
後で身元も分かり、お骨は生家の家族のもとに帰ったそうですが、この仏が源八親父に
何度も漁を授けてくれたのです。
源八網は今日も大漁だ。
「海の仏は大事にしてやるもんだ」浜で漁師仲間が語り草にしたという話です。
この話は今でも知っている人が大勢います。
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