おんにん様
新島の北東に淡井浦という海岸があります。
そこに海中から突き出ている岩があって、これを「おんにん様」と呼んでいます。
「御根様」の訛ったものといわれています。
ここに、こんな話があります。
昔、回船が海が荒れてこの浦に避難しました。
海もようやく静まり錨を上げて船を出そうとしましたが、どうしても錨が上がりません。
一人の若い衆が海に飛び込んで調べてみると「おんにん様」の根もと近くに投げられたた錨の上に
白髪の老人が腰を下ろし、口に麻をくわえ、指で麻を紡いでいて、その若い衆に
「俺がここにいたことを誰にも話してはならない。もし他人に話したならばお前の命はないものと思え」と 告げたそうです。
やがて錨は上がり船は沖に出ました。
若い衆はそのことを誰にも話さず悶々のうちに幾日か過ごしましたが、
我慢しきれず遂に知人にこのことを打ち明けました。
すると間もなく、その若い衆は死んでしましました。
誰言うとなく白髪の老人の祟りであろうと言い伝えるようになりました。
今もこの岩の付近では祟りを恐れて天草や、サザエ、アワビなど決して採りません。
また、付近を通る船は必ず水を祀っています。
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